約24時間前に発表された全国高校駅伝のエントリー。多くのチームが実力のある10人をエントリーしたように思える。その中でも優勝候補に挙げている３校に焦点を当てたい

①佐久長聖高校ー北信越の覇王が王座に返り咲くー
　5000mPB上位７人の平均タイムは14:09と全チームの中で最も早いタイムを誇る。現高三世代最強ランナーとの呼び声高い中谷雄飛選手(３年)、前回大会で２位になった時に４区を走り今季5000ｍで13分台に突入した(高校生の段階で5000ｍ13分台に突入する選手は箱根駅伝を走る選手でも限られている)本間敬大選手(３年)、２区区間賞だった松崎咲人選手(２年)、７区３位だった丸山幸輝選手(３年)。今年は１年生にも服部凱杏選手、富田陸空選手、鈴木芽吹選手をはじめとしたタレントが揃っている
　特に松崎選手は北信越大会で１区(10km)を任されており、仮に中谷選手を差し置いて１区を走ることになったら、中谷選手が３区で留学生選手とマッチアップするという展開に持ち込めるかもしれない(現行ルールでは１区に留学生を起用することができないため１区の次に距離の長い３区に留学生を起用する高校が多いため)
　更に主将の山本嵐選手(３年)、ロードでの強さに定評のある高木航志選手(３年)、今季5000mで14分10秒台の好タイムを出した濱野将基選手(２年)といった実力者が脇を固める。現段階で全国高校駅伝優勝に最も近いのは佐久長聖高校であることは間違いない

②倉敷高校ー新・最強時代へー
　前回王者の倉敷高校。優勝の原動力となった1998年度生まれ世代は卒業してしまったものの、前回経験者の名合治紀選手(３年)、北野太翔選手(３年)、前々回経験者のチャールズニジオカ選手(３年)、今季国内高校生の5000ｍ最高タイムを出したフィレモンキプラガット選手(１年)を中心に連覇を目指す(規定上留学生は１人しか起用してはいけないのでニジオカ選手かキプラガット選手のどちらかしか出ることができない)
　今年の中国高校駅伝では主力選手を温存しながら世羅高校、西京高校をはじめとした強豪校に圧勝するという横綱相撲を見せた。その時のメンバーであり１区３位だった脇本岳選手(３年)、２区２位だった小野一貴選手(３年)、７区１位だった合田椋選手(３年)、６区１位だった円健介選手(２年)、４区１位だった若林陽大選手(２年)もエントリーされており、実力の高さが伺える。５区を走った井田春選手(２年)はエントリーされていないものの八木志樹選手(２年)も実力者であり、２年生の層も厚い
　5000mPB上位７人平均では先述の佐久長聖高校、後述する学法石川高校の方が上回っているものの駅伝での実力では引けを取らない。１度は入賞から遠のいたものの今年連覇を果たし最強時代を築きたいところである

③学法石川高校ー随一の選手層で栄冠をつかむー
　5000ｍのPBが15分を切っている選手が30人もいる学法石川高校(佐久長聖高校は18人)上位７人平均も14:12と佐久長聖高校に次ぐタイムを誇る。４番目のタイム(14:14)を出した國分駿一選手(２年)はエントリーされていないものの、実力者が揃っている。その中でも１番の実力者は5000ｍで13分台を出した半澤黎斗選手(３年)だろう。前回の高校駅伝では本来の実力を出し切れず最下位に甘んじたものの、彼の実力はそんなものではない。現に３月の伊那駅伝(長野県伊那市で行われる６区間42.195㎞を走る大会。全国から高校生が集うため、新人戦の意味合いを持つ)では１区で区間賞を獲得している。更に県大会１区でも区間賞を獲得しており、本来の実力を出したら区間上位は間違いない
　リベンジに燃える選手は半澤選手だけではない。3区33位だった芳賀宏太郎選手(３年)、５区25位だった加藤広之選手(３年)、７区24位だった久納碧選手(３年)、２区33位だった小指卓也選手(２年)、４区17位だった横田俊吾選手(２年)も昨年以上の好成績を狙う
　学法石川高校の恐ろしさは東北高校駅伝でも現れている。県大会に出場しなかった選手のみで挑み１位になったのだ。その時に１区１位だった中澤雄太選手(２年)、４区２位だった宗像聖選手(２年)もエントリーされており、メンバー選考に頭を悩ませることになるだろう。更にふくしま駅伝でも実力を遺憾なく発揮しており、５区を全体の最速タイムで走った櫛田佳希選手(２年)、６区町の部区間賞であった松山和希選手(１年)もエントリーされている
　これまで全国高校駅伝では本来の実力を出し切れない展開が続いたものの、戦力の充実した今年は過去最高順位、あるいは優勝が望めるだろう

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