今年4月に入学した
駒澤大学の新入生は新最強世代と言うべきか。高校時代5000mのPBが14分台前半だった選手は過去最多タイの6人、5000mのPBが14分台後半の選手でも高校駅伝や都道府県対抗駅伝で好走している選手がおり、誰が台頭してもおかしくないほどの実力者が揃っていた。彼らが箱根駅伝までにどれほど成長したか現したい
①加藤淳選手(出身校:西脇工業高校)ー第二の中谷圭佑さんへ！ー
5000mPB、13:59.03
10000mPB、29:48.87
(10kmPB、29:35)
ハーフマラソンPB、1:04:16
出雲駅伝1区13位
全日本駅伝5区7位
箱根駅伝エントリー
今年の
駒澤大学の1年生で唯一インターハイ、国体で入賞しており、鳴り物入りで駅伝メンバーに名乗りを挙げた。出雲駅伝、全日本駅伝ともに出走し区間順位こそ良いとはいえないものの存在感は示している
尊敬するランナーとして今年卒業した中谷圭佑選手(現日清食品グループ)の名前を挙げており、
駒澤大学への進学を決めたのも中谷選手への敬意からだという。ハーフマラソンでは1年時の中谷選手以上のタイムを出しているため、あとは自信を持つことだけだ
②小原拓未選手(出身校:一関学院高校)ー世代トップを奪うかー
5000mPB、14:11.70(今期更新！)
10000mPB、29:27.32
ハーフマラソンPB、1:03:55
出雲駅伝5区7位
全日本駅伝エントリー
箱根駅伝エントリー
高校時代は先述した加藤選手の方が全国的には有名だったものの、11月に行われた上尾シティハーフマラソンで加藤選手に先着。
駒澤大学の1年生としては下史典選手以来2年ぶりに箱根駅伝前にハーフマラソン64分切りを成し遂げた。元々ロードでの強さには定評があったものの、今シーズンは5000mでも自己ベストを更新。怪我をしなければ箱根駅伝出場はほぼ間違いない。未来のエース候補として初の箱根路でどこまで走ることができるか楽しみである
③伊東颯汰選手(出身校:大分東明高校)ー実力者の系譜を継ぐ男！ー
5000mPB、14:14.19(今期更新！)
10000mPB、30:16.23
(10kmPB、29:55)
ハーフマラソンPB、1:08:20
全日本駅伝エントリー
箱根駅伝エントリー
高校駅伝では3年間1区を走り、3年目には30分を切る快走を見せた。10月の世田谷記録会で5000mのPBを更新。上尾シティハーフマラソンでは中盤以降失速したものの、積極性を評価されたからか箱根駅伝のエントリーに登録された
元10000m駒澤大学記録保持者である油布郁人選手、昨年まで駒澤大学の主力選手として活躍した大塚祥平選手をはじめとして大分東明高校から
駒澤大学に進学した選手は実力者が揃っている。先輩方に続けるよう頑張ってほしい
④吉村晃世選手(出身校:小林高校)ーガラスの天才がベールを脱ぐ！ー
5000mPB、14:04.79
10kmPB、29:45
ハーフマラソンPB、1:04:26
名門小林高校から久しぶりに来た選手(筆者は初めてだと思っていたが、20年ほど前に小林高校から入学したことがあるとのこと)高校3年時の途中から怪我が目立ち、本来のパフォーマンスができない時期が続いたものの怪我が無ければ主力選手になることは間違いない。現に上尾シティハーフマラソンでは加藤選手と僅か10秒しか遅れておらず大器の片鱗を見せつけた。箱根駅伝のエントリーからは惜しくも漏れてしまったが、来年以降
駒澤大学の戦力になることは間違いない
⑤若林大輝選手(出身校:倉敷高校)ー最強集団の一員が駒澤に！ー
5000mPB、14:17.14(今期更新！)
10000mPB、29:48.21
ハーフマラソンPB、1:06:29(今期更新！)
倉敷高校では1年時から全国高校駅伝を走る。3年時に2区を走り、チームの優勝に貢献。更に高校時代からハーフマラソンを走っており、細身ながらタフな選手でもある。大学でもシーズンを通じて試合に出場しており、4月には5000mのPBを、11月にはハーフマラソンのPBを更新しており、着実に成長をしている。10000mでも29分台に突入しており、来年以降駅伝での活躍が望まれる選手となった
⑥小島海斗選手(出身校:市立船橋高校)ー南関東の最強のスピードスター！ー
3000mPB、8:27.72(今期更新！)
5000mPB、14:16.83
10000mPB、30:37.62
高校1年時に市立船橋高校の全国高校駅伝入賞に貢献し、高校3年時には南関東総体5000mで優勝を果たしたスピードランナー。更に全国高校駅伝3区では西山和弥選手に区間記録で勝利し、一躍全国区の選手に名乗りを挙げた。好不調は激しいものの、ハマったときの強さは先輩の伊勢翔吾選手同様に駒澤大学の中ではトップレベルのため、その強さを継続して出してほしいものである
⑦神戸駿介選手(出身校:松が谷高校)ー不毛の地のエース！ー
5000mPB、14:18.24(今期更新！)
10000mPB、31:00.00
(10kmPB、30:52)
学校に400mトラックが無い。都立高校ではよくある光景だが、神戸選手の通っていた松が谷高校もその一つだ。その中で1年時に5000mで15分を切るという快挙を成し遂げる。潜在能力の高さはこの頃から証明されていた。3年時には選抜10000mで全国大会を経験するものの、全国で有名な選手とは思われていなかった
しかし入学後、水を得た魚のように躍動する。5000mのPBを2度も更新。タイムも20秒以上短縮しており、覚醒の兆しを見せた。来年は更なる成長が期待される選手である
⑧小林歩選手(出身校:関西大学北陽高校)ー陰の世代トップ!?ー
5000mPB、14:19.08(今期更新！)
10kmPB、30:24
大阪府内、近畿地区では名の通った選手であり、昨年の都道府県対抗駅伝大阪府選考会ではトップに立った実力者。そんな小林選手の知名度を駒澤大学のみならず、他校のファンにも知らしめたのは都道府県対抗駅伝本番だろう。1区で区間7位という成績ながらタッチの差で加藤選手に勝利「今年のルーキーは強い」そう証明するのに時間はかからなかった。来年以降は加藤選手をはじめとしたエントリーメンバーと共に駅伝を走ってくれるだろう
⑨武長尚吾選手(出身校:駒澤大学高校)ー下剋上を果たす！ー
5000mPB、14:53.18(今期更新！)
ハーフマラソンPB、1:08:02
高校時代の5000mのPBは今年の駒澤大学のルーキーの中では一番遅かった選手。しかし12月の日体大記録会で14分台に突入。更に特筆すべきなのは11月の世田谷ハーフマラソンでのタイムである。1時間8分台と好走とは言いがたいものの、伊東選手よりも速い記録なのだ(コースが違うので比較にはならないものの、世田谷ハーフマラソンの方が厳しいコースであることはここに記しておく)一番遅かった選手の走りはチームに刺激を与えるに違いない
⑩市澤長太選手(出身校:青森山田高校)ー快足のウルトラマン!?ー
3000mPB、8:14.91(今期更新！)
5000mPB、14:40.26(今期更新！)
3000mでの快走で上半期に目立った市澤選手。8:15切りは大学生でもなかなか出せるタイムではない。しかしその後が続かない。5000mでは3000mのときのようなキレをなかなか見せられない。高校時代は中距離を中心にやっていたからだろう。距離への対応ができるようになり、キレのある走りを見せられたときに主力選手に名乗りを挙げることは間違いない
⑪狩野未基選手(出身校:世羅高校)ーポスト工藤有生さんへ！ー
5000mPB、14:49.73
10kmPB、33:17
名門世羅高校から今やエースとなった工藤有生選手に続き、3年ぶりに来た選手である。今期は初めて10kmのロードレースに挑戦。33分台と結果こそ良くなかったものの、ロードレースに挑めたのは大きい。駒澤大学には神戸選手、小林選手とポスト工藤選手(高校時代は5000mのPBがそこまで早くないものの、大学で頭角を現す選手)と称される選手はいるが、高校からの後輩である狩野選手も名乗りを挙げたいところである
⑫江口大雅選手(出身校:鎮西学院高校)ー新しい波を起こす！ー
5000mPB、14:46.92
10kmPB、30:34
神戸選手、小林選手と共にこれまで先輩たちが来たことの無い高校からの進学者。高校時代はトラックよりもロードでの実績があり、3年時の都道府県対抗駅伝ではスピードのある同級生たちと遜色の無い走りを見せた。大学に入ってからはまだ試合に出場していないものの出場できるようになれば駒澤大学の主力選手になることは間違いない
⑬青山尚大選手(出身校:中京大中京高校)ー未完の大器。復活なるか？ー
5000mPB、14:43.34
10kmPB、34:08
セレクション時も故障していたが、その怪我が長引いているのだろうか。今年は1度もレースに出場しないまま終わってしまった(世田谷ハーフマラソンはDNS)高校の先輩たち(内田直将選手、糟谷悟選手)の栄光、他の選手が好走をしている中で焦りはあるだろうが無理はせずに、来年復活を遂げることを祈る
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